先日デビュー当時のマネージャー氏と話をしてて色々と思い出したことがあったので忘備。
そう、こないだの人気投票で見事第1位に輝いた「指でさようなら」のことです。
1997年春頃、デビューに向けて最初にレコーディングしたのは、まずはデビューシングルになった「ザ・ルネサンス・マン」とカップリングの「Sweegie」のリズム録りでした。
実はその時のセッションでは、セカンドシングルに決まっていた「指でさようなら」もリズム録りをしたんです。その時録ったものを「指さよ①」とします。
で、その「指さよ①」に仮歌を入れる段階になって、なんと私、言い放ってしまいました。
「すいません。歌えません。」
え?
歌えないってどどどどゆこと?
「いや、これは俺の指さよじゃないです。」
チーン。
凍りつくスタジオ。
当時、上京して数ヶ月、まだまだ右も左も分からない小僧。
日本のトップレベルのスタジオミュージシャンが集まるレコーディングの流れの速さに全くついていけてなかったわけですね。
口を挟むタイミングなんて計れなかったし、目の前で物事がどんどん進んでいくのが怖くて、なんとかして曲を守らなきゃと思っていた記憶があります。
結局、「指さよ①」は、お蔵入りになり、後日録り直しをしたものが、みなさんが知っている「指さよ②」ということになります。
録り直しができただけでも、今考えるとありがたすぎですが、予算的には想定外の大出費だったはず。
小僧本人もなかなかの啖呵を切ったという自負があったのか、本番の歌録りは気合の1テイクOKでした。
その時、スタジオの脇で雑務をしていたマネージャー氏は、モニターから流れてくる歌録りの様子を聴きながら、「い、今のいいんじゃね?!」って興奮したのを覚えてるよ、と、蕎麦屋のカウンターで25年前の記憶をたどってくれました。
こないだ人気投票があって第1位は「指さよ」だったんですよ、と伝えたら、そんな話になり、良い酒が呑めました。
「あれだな谷口、やっぱりあの時ビビビッと感じた良さって、ちゃんと聴く人に伝わるってことだな」
と、まるで自分の手柄のように言ってもらえて、まあ25年前の話ですが、それでも嬉しかったので、書いときます。
PS.
怒られそうだけど、「指さよ①」も今聴くとなかなかよいなぁ、、、
コメントをお書きください
マグダ (火曜日, 14 6月 2022 22:30)
指さよ、25年越しに初めて聴きました。今徐々に染み込んできてるところです。指さよ①もいつか聴いてみたいです♪